飲酒運転・懲戒解雇・就業規則、年末調整、兼業禁止について

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   18年12月号
 
 ☆企業による飲酒運転対策への取り組み

 ◆飲酒運転への関心の高まり
 ここ最近、飲酒運転への関心が高まり、企業の間でも飲酒運転をした社員に対し厳罰を下せるような体制を整備する動きが出始めているようです。改めてコンプライアンス(法令順守)経営の見直しに躍起になっている企業も多いのでしょうか。
 酒類を扱う飲食業界や自動車に関連する運送会社、自動車メーカーなどでは以前から厳しい内規を設けて社員に飲酒運転の禁止を徹底させている例が多かったようですが、最近の危機感の高まりは、こうした業界だけにとどまらないようです。
 当事務所のホームページからも、飲酒運転に関する対応策についての相談が増えています。

 ◆就業規則による明文化
 社員が就業時間中に業務に絡み飲酒運転事故を起こせば、企業が雇い主として責任を問われ、損害を賠償する必要も生じます。多くの企業では、就業規則に「故意または重大な過失により会社に重大な損害を与えた場合」を懲戒解雇事由の1つに定めているため、処分が可能になります。

 ◆休日の飲酒運転でも懲戒処分は可能?
 対応が難しいのは、休日の飲酒運転など、業務とはまったく関係のないケースです。
就業規則では、通常、無断欠勤や会社の秩序を乱した場合など、どんな事例が懲戒処分に相当するかを規定しているので、その規定に「飲酒運転をした場合」という項目を加えることがこの場合の対処法の1つといえます。
 しかし、労働基準法では客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇を無効とすると定められています。過去には、休日に飲酒事故を起こした社員の懲戒解雇について、事件が報道されず会社の社会的評価は棄損されていないことや、他の社員からも処分が重いとの意見もあるなどとして懲戒解雇を無効とした裁判例があります。飲酒運転に対する社会の意識変化や、社内の他の処分例とのバランスを考慮すべきだといえます。

 ◆飲酒運転を許さない姿勢こそが重要
 飲酒運転は決して許されるものではありません。法令順守の観点から、企業が就業規則などを通じて飲酒運転を許さない姿勢を社員に示せば、飲酒運転減少につながる可能性があるといえるでしょう。

 ☆平成18年度の年末調整について

 ◆年末調整を行う理由
 給与を支払う事業主は、毎月(日)の給与の支払いの際、「源泉徴収税額表」によって所得税を給与から控除しますが、毎月控除した所得税の1年間の合計額と、年間の給与総額にかかってくる所得税の年額とは一致していません。
 一致しない理由として、
 (1) 1年の途中で扶養親族等に異動があっても、異動後からの税額が修正されるだけで遡って各月の所得税が修正されない
 (2) 配偶者特別控除や生命保険料、損害保険料等が控除されていない、などがあげられます

 ◆昨年との相違点
 平成17年度と大きく異なる点は、「定率減税額」の引下げです。平成17年度は所得税額の20%相当額(最高25万円)が減税されていましたが、平成18年度は、昨年の半分の所得税額の10パーセント相当額(最高12万5,000円)が減税されます。
 さらに平成19年度は、定率減税が廃止されます。また、勤労学生控除の対象となる専修学校および各種学校の設置者の範囲に、「文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校等を設置する者」が追加されています。
 昨年から引き続き、配偶者控除の適用を受けている方は配偶者特別控除を受けることができません(本人の所得が1,000万円を超える方にも配偶者特別控除は適用されません)。
老年者控除も平成17年分以後の所得税から廃止されています。

 ◆平成19年以後の改正点
 (1) 定率減税の廃止に伴い、平成19年1月からの「源泉徴収税額表」が変更となりますので、1月支払の給与から所得税の徴収額が変更となります。
 (2) 損害保険料控除が改組されることになり、長期損害保険料と短期損害保険料の合計額(最高15,000円)の控除となっていたのが、損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料等の合計額(最高5万円)を総所得金額等から控除する地震保険料控除とされることになります。

 ☆会社に無断でアルバイトをしたら?

 ◆社員の兼業にどう対処?
 ある企業に勤める女性社員が勤務終了後にクラブで接客のアルバイトをしていたところ、それが会社に見つかってしまい、女性社員は厳罰をおわされることになりました。
この会社の判断は正当といえるのでしょうか。

 ◆懲戒処分の判断基準は?
 アルバイトなどの兼業を理由とした懲戒処分が正当かどうかは、企業が就業規則に兼業禁止を定めていて、その規則を適用することに合理性があるかどうかで決まります。
 アルバイトによる疲労のために会社の本業に従事することが著しく困難になるような場合は、兼業禁止を適用される可能性があります。また、会社の評判を損なうような内容のアルバイトをしている場合などにも、適用事由になりうるといえます。

 ◆裁判例では?
 裁判例の中には、就業時間後の午後6時から午前0時までキャバレーで働いていた女性社員を解雇したことについて、社員の兼業の可否について会社の承諾を得る必要があると定めた就業規則の適用は権利の濫用に当たらないとしたものがあります(1982年東京地裁)。このように、会社に無断でアルバイトをしていることも問題になります。「アルバイトをする場合は、会社の承諾を得ることが必要である」といった就業規則がある場合、無断で就業すると手続違反として懲戒事由になる可能性もあるでしょう。
 
 ◆就業規則の徹底を図ってきたかが問われる
 また、会社がそれまで違反行為に厳しく対処してきたかどうかもポイントになります。会社や社外での行動に厳しく対処してこなかった会社が、急に特定の人を対象に懲罰を科すことは妥当ではないという見方もできます。
 会社側が日常的に研修などを通じて就業規則の徹底を図っており、違反者には公平に処分を下していたのであれば、社員が反論するのは難しいでしょう。
 
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