営業社員の息抜き、教育訓練給付、ワーキングプアについて

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 ☆営業社員の“息抜き”は懲戒処分の対象になるか?
 
 ◆喫茶店での息抜きが見つかってしまった…
 外回りで営業しているはずの時間に、喫茶店で休憩しているところを上司に見つかってしまいました。上司に「社員全員で業績拡大に取り組んでいるときにどういうことだ! 懲戒処分を覚悟しろ!」と言われましたが、本当に懲戒処分に該当する行為なのでしょうか。
 
 労働基準法で定める「事業場外みなし労働時間制
 就業時間のほとんどを事業場外で働く営業社員の場合、自分の裁量で休憩時間をとる人は少なくありません。しかし、上司や同僚の目が届かないため、一定の営業成績を上げる見込みが立つとリフレッシュするための休憩も長時間になりがちで、中には昼寝、パチンコや映画に興じる人もいるようです。
労働基準法では「労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。」(38条の2前段)と規定しています。この条文の趣旨は、労働時間を把握できない事業場外で働く社員にも所定労働時間分の給与を払うというものです。会社が「きちんと働いているかどうかわからない」などとして、社員の給与を一部カットすることや、不払いにすることは法律上認められていません。

 ◆本当にさぼっていた場合どうか?
 社員が「裁量労働制」の対象であれば、自ら労働時間を配分でき、通常の就業時間に働かずに他の時間に働いても問題はありません。もっとも、「裁量労働制」を適用できるのは技術開発やデザインの考案など労働基準法の施行規則に列挙された一部の職種に限られます。営業職は適用外であり、就業時間にサボっていれば職務専念義務違反で懲戒処分の対象となる可能性があります。

 ◆営業社員の就業時間中の息抜きは?
 労働基準法は、労働時間6時間超で45分以上8時間超で1時間以上の休憩を与えることを規定しており、会社は事業場外で働く社員にも休憩を与えなければなりません
また、営業活動の合間に短時間、喫茶店に寄っても、社内でお茶を飲むのと同じで、通常、許容される気分転換の範囲内とされています。よって営業社員の息抜きのポイントは、
  1.短時間の休憩は通常、許容される気分転換の範囲内
  2.長時間の休憩は職務専念義務違反の可能性ありだと考えられます。

 ☆「教育訓練給付」の助成率を引下げ

 ◆教育訓練給付の内容変更
 働く人たちの能力開発や資格取得を国が支援する「教育訓練給付金」について、厚生労働省は、原則として受講料の4割としている現行の助成率を、一律2割に引き下げる方針を固めました。
 同給付は雇用保険を財源としており、これまで200万人近くが利用しています。一方で、不正受給などが問題となったため、本人負担を増やしながら、若者が利用しやすいように要件を緩和するなどして「衣替え」を図る内容となっています。

 ◆給付内容の変遷
 教育訓練給付は、バブル崩壊後の雇用情勢が不安定な1998年に創設され、厚生労働省が指定した講座で教育訓練を受けた場合、その一部を支給する仕組みとなっています。当初は雇用保険の加入期間が5年以上の人を対象に、受講料の8割(上限20万円)まで支給され、2001年からは上限30万円となりました。
助成率が高いうえ、働きながら受講できることから、英会話やパソコン講座などを受講する利用者が急速に拡大しましたが、審査の甘さなどから、架空の講座を設けるなどして給付を受け取るなどの不正受給が問題となりました。
 また、初心者向けガーデニングなど、趣味的な講座まで指定を受けために批判が相次ぎ、制度を見直して指定基準などを厳格化しました。2003年には、雇用保険加入期間が5年以上の人は助成率を4割(上限20万円)に引き下げられ、3年以上5年未満の人は2割(上限10万円)となりました。これにより、一時は2万以上あった指定講座は、今年4月現在で約7,800に減りました。これまでの受給者は約195万人で、給付総額は約2,740億円、昨年度は約16万人が利用しました。

 ◆今回の変更点
 今回の見直しでは、加入期間による差をなくし、「加入期間3年以上、助成率2割」に統一されます。ただし、働く人の能力を高め、再就職や失業を予防する制度としての意味はあるとして、若者などで初めて給付を受ける人に限っては、当分の間、受給要件を「加入期間1年以上」に緩和する方針です。

 ☆増加する「ワーキングプア

 ◆“ワーキングプア”とは?
 「ワーキングプア」は、日本で急激に拡大しつつある「働く貧困層」のことで、「働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない」世帯のことを指しています。アメリカなどにおいては、失業者ではなく就業者であることから失業問題としては把握されていないものの、賃金水準が低く、また技能の向上や職業上の地位の上昇の可能性が低いため、「隠れた労働問題」として捉えられています。
 生活保護水準以下で暮らす家庭は日本の全世帯のおよそ10分の1とされ、400万世帯とも、それ以上とも言われています。長い冬の時代をくぐり抜け、ようやく春を迎えたと言われる日本経済ですが、このような世帯の増加が深刻な社会問題になりつつあるのもまた事実です。

 ◆働いても働いても豊かになれない
 では、どのような人たちが「ワーキングプア」に陥りやすいのでしょうか?
 最も典型的なのは、長引く不況の中で企業がグローバル競争に勝ち抜くために断行したリストラや、「氷河期」とも呼ばれた大学新卒の就職難などが要因で派遣社員や契約社員となっている「非正規雇用社員」の人々です。特に、大企業の製造現場においては非正規雇用が広がっており、こうした傾向はいわば構造的なものといえ、景気の回復期になっても、自然に解消する問題とは言い難いようです。
 そのほか、地域経済全体が落ち込んでいる地方では、低収入化が進み、高齢者世帯は医療費や介護保険料の負担増にあえいでいます。また収入の少なさは、出産率の低下、つまり少子化の加速という深刻な問題にも繋がっていきます。
 景気が上向きになってきたといわれる現在も、企業の非正規雇用は減らないと考えられています。ワーキングプアが解決される日が、早く来ることを願いたいものです。

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