☆4月1日からの任意継続被保険者の傷病手当金・出産手当金
◆手当金廃止後の任意継続被保険者の経過措置
4月1日から、改正健康保険法の施行により、任意継続被保険者に対する傷病手当金と出産手当金が
廃止され、退職後6カ月以内に出産した場合の出産手当金も廃止されました。
しかし、経過措置として、4月1日以降も任意継続被保険者が傷病手当金、出産手当金を受給できる
場合や、退職後6カ月以内の出産でも出産手当金を受給できる場合があります。
◆受給できる任意継続被保険者は?
4月1日以降に傷病手当金を受給することができる任意継続被保険者は、以下の2点両方を満たす人
です。
1.3月31日が、「傷病のために労務不能となってから4日目」以降の日に当たること(少なくとも連続3日
間の待期期間が3月30日までに終了していること)。
2.3月31日は会社を休んだか、退職日後であること(いずれも傷病のため労務不能であること)。
4月1日以降に出産手当金を受給することができる任意継続被保険者は、以下の2点両方を満たす
人です。
@3月31日が、「出産予定日以前42日から分娩日の翌日以降56日までの間」にあること。
A3月31日は会社を休んだか、退職日後であること。
◆退職後6カ月以内の出産について
退職後6カ月以内の分娩で出産手当金を受給できるのは、以下の4点すべてを満たす人です。
1.退職日以前に1年以上被保険者であったこと。
2.3月31日が、「出産予定日以前42日から分娩日の翌日以降56日までの間」にあること。
3.資格喪失日の翌日から6カ月以内に分娩したこと。
4.3月31日は会社を休んだか、退職日後であること。
☆社会保険のパートへの適用拡大 大半は対象外?
◆現在の適用基準
現在、パート労働者への健康保険・厚生年金保険の適用基準は次の通りです。
1.正社員の1日または1週間の所定労働時間の概ね4分の3以上(週30時間以上相当)
2.正社員の1カ月の所定労働日数の概ね4分の3以上
◆新しい適用基準の対象範囲
当初、厚生労働省は、新適用基準に関する案を、
1.労働時間が週20時間以上
2.月収が9万8,000円以上
3.勤務期間が1年以上で
4.当面は従業員300人以下の中小企業は適用が猶予される
としていましたが、反対派の意見が大きかったこともあり、「学生は対象外」という新基準を加えました。
さらに、月収条件(9万8,000円以上)に賞与や通勤手当、残業手当を含めないこととする基準も法案に
明記する方針を明らかにしています。
◆新基準適用は5万人程度?
政府は、適用拡大について2011年9月の実施を目指していますが、現在、適用外のパート労働者は
約900万人いると言われており、そのうち、新適用基準に該当するのは看護師、管理栄養士など、
約5万人程度の比較的高賃金パートに限られるとみられ、「大半のパート労働者には無関係で、意味が
ない」との批判も出てきています。
☆社内での飲み会も業務の一環?
◆東京地裁が「社内での飲み会も業務」として労災認定
勤務先の会社内において開催された飲み会に出席した後、帰宅途中に地下鉄の駅の階段で転落して
死亡した建設会社社員の男性について、妻が「通勤災害で労災にあたる」として、遺族補償など
を不支給とした中央労働基準監督署の処分の取り消しを求めていた訴訟の判決で、東京地裁は労災と
認定しました。
男性は、1999年12月に勤務先で開かれた会議の後、午後5時頃から開かれた会合で缶ビール3本、
紙コップ半分程度のウイスキーを3杯飲んでおり、同労働基準監督署は、「会合は業務ではない。飲酒
量も相当あった」と主張していましたが、東京地裁は、「酒類を伴う会合でも、男性にとっては懇親会と
異なり、部下から意見や要望を聞く場で出席は職務。飲酒は多量ではなく、酔いが事故原因とも言え
ない。降雨の影響で足元も滑りやすかった」として、労災と判断したのです。
◆通勤災害の定義の変化
労災保険法7条2項は、「通勤とは、労働者が、就業に関し、移動(住居と就業の場所との間の往復)を、
合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする」と定めてます。
また、同条3項は「労働者が、移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合においては、当該逸脱
又は中断の間及びその後の移動は、通勤としないと定めています。
そのため、食事等で長時間にわたって腰を落ち着けたような場合は、逸脱・中断とみなされ、その間
およびその後の行為は通勤とは認められていませんでした(昭48.11.22基発第644号)。今回の判決が
今後の実務にどのように影響してくるのか、大変興味深いところです。
☆4月から始まった「年金分割」制度
◆「年金分割」制度がスタート!
4月1日から、公的年金制度が大きく変わりました。改正で最も大きな話題を呼んでいるのが、離婚時に
夫婦間で年金を最大で半分に分ける「年金分割」制度です。ただ、「4月以降に離婚すれば、妻は夫の
年金の半分を確実に受け取れる」、「これで離婚後の暮らしも安心」などといった誤解も多いようです。
◆基礎年金は「対象外」
離婚時に夫の年金額すべてのうちの半分がもらえるわけではありません。分割の対象は厚生年金の
報酬比例部分だけであり、基礎年金は対象外となります。しかも最大で2分の1の分割割合は、夫婦の
合意で決められます。協議が不調に終われば裁判所で決めてもらうことになります。
◆婚姻期間中の加入期間に「限定」
分割されるのは、婚姻中の厚生年金加入期間の部分に限られる点にも注意が必要です。結婚期間が
短ければ、受け取れる年金もそれに応じて少なくなります。
さらに、共働き夫婦で、妻も厚生年金に加入していれば、両者の受取額が同じになるまでしか分割され
ません。つまり、例えば、妻が自分名義の厚生年金で月5万円を受け取れるなら、夫の年金額が10万円
の場合、分割後に受け取れる厚生年金の総額は、夫の10万円と妻の5万円を足して2で割った
7万5,000円までになるわけです。
◆来年の4月からは?
年金分割制度は今年と来年の2段階で導入されます。今年の4月1日以降は合意で最大2分の1が
分割されるのに対し、来年4月1日からは専業主婦など第3号被保険者だけを対象に、自動的に2分の1
が分割される制度が始まります。
ただし、こちらの対象となるのは、来年4月以降、離婚までの期間(第3号被保険者であった期間)だけ
で、それ以前はやはり夫婦の合意割合(最大2分の1)で分割を行います。
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