産業医とは
事業者の直接の指揮のもとに、医師という専門家としての立場から、労働者の健康管理等の
業務にあたる者をいいます。
産業医を選任すべき事業所等
産業医を選任しなければならない事業所は、常時50人以上の労働者を使用する事業所です。
産業医が選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任しなければなりません。
産業医が医師のうちから選任されることから、専属の産業医の選任については、常時1,000人
以上の労働者を使用する事業所、次の業務に常時500人以上の労働者を使用する事業所に
対してのみ義務づけられています。
<常時500名以上の労働者を使用する事業所で専属の産業医を専任すべき事業所>
・多量の高熱物体を取り扱う業務、著しく暑熱な場所における業務
・多量の低温物体を取り扱う業務、著しく寒冷な場所における業務
・ラジウム放射線エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
・土石、獣毛等のじんあい、粉末を著しく飛散する場所における業務
・異常気圧下における業務
・さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
・重量物の取扱い等重激な業務
・ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
・坑内における業務
・深夜業を含む業務
・水銀、砒素、黄りん、弗化水素、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに
準ずる有害物を取り扱う業務
・鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸
・一酸化炭素、_硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気また
は粉じんを発散する場所における業務
・病原体によって汚染のおそれが著しい業務
・その他、厚生労働大臣が定める業務 |
常時3000人超の労働者を使用する事業所は、産業医を2人以上選任しなければなりません。
所轄労働基準監督署長に対する「選任報告」については総括安全衛生管理者等の場合と、
やむを得ない事情がある場合の選任の特例については衛生管理者の場合と同様です。
産業医の選任要件
産業医の選任要件として、医師であることの他、下記のいずれかに該当するものです。
1.労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての厚生労働大臣が
定める研修を修了した者
2.労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
3.学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、助教授または
常勤講師の職にあり、またはあった者
4.その他、厚生労働大臣が定める者
ただし、
1.平成8年10月1日前に上記1の研修に相当する研修の受講を開始し、これを修了した者
2.平成10年9月30日において産業医としての経験年数が3年以上である者は、
要件を満たすものとされています。
産業医の職務等
1.次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするもの
(1)健康診断の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること
(2)作業環境の維持管理に関すること
(3)作業の管理に関すること
(4)(1)〜(4)のほか、労働者の健康管理に関すること
(5)健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること
(6)衛生教育に関すること
(7)労働者の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関すること
2.事業者等に対する勧告等
(1)労働者の健康確保のため必要があると認めるとき、事業者に対する労働者の健康管理等
についての必要な勧告 ⇒ 事業者は、この勧告を尊重しなければなりません。
(2)上記(1)の事項についての、総括安全衛生管理者に対する勧告、衛生管理者に対する
指導・助言.
事業者は、産業医が勧告等を行ったことを理由として、解任その他不利益な取扱いを
してはいけません。
産業医は、これらの職務を行うほか、少なくとも毎月1回は作業場等を巡視して、設備等で
衛生上有害のおそれのある場合には、応急処置または予防措置を講ずるようにしなければ
なりません。
事業者は、産業医に対して、これらの職務を遂行することができる権限を付与しなければ
なりません。
50人未満の事業場の場合
常時使用する労働者が50人未満の事業場では、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師、一定の保健師に、労働者の健康管理等の全部または一部を行わせるように努めなければなりません。
また行わせるに当たっては、医師の選任、地域産業保健センター事業の利用等に努めるものとされています。
【関連リンク】
長時間労働者への医師による面接指導の実施
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